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ともに立ち向かい支える

 

よくある質問と回答

よく聞かれる質問をまとめています。


Q 無料の支援制度について

無料の支援制度があると聞きましたが、どのような制度ですか?

 殺人、傷害、強制性交、強制わいせつなど生命、身体、自由について被害を受けた方やそのご遺族が、刑事裁判などについて弁護士から支援を受ける際の弁護士費用が援助される制度です。
 

 原則は、費用の立替をする制度であり、費用負担が生じることもあります。
 しかし、最終的に、被害者の方が費用を負担することは少なく、今まで取り扱った事件では、被害者の方ご自身が費用の支払いを希望した場合や十分な賠償金を受け取った場合などに費用の負担が発生していますが、それ以外の場合では、費用負担はありませんでした。

 利用の要件として、預貯金などの流動資産(すぐに現金化して使える資産)およそ300万円以下である必要があります。
 利用のために必要な書類も少なく、審査も迅速で使い勝手の良い制度です。

 この制度は、日本弁護士連合会が弁護士から集めた会費などによって運営されています。
 この制度を利用するためには、弁護士への依頼が前提となります。
 また、刑事手続きが終了している場合は利用ができない場合があります。


無料の支援制度でどのような支援が受けられますか?

 加害者の刑事裁判、少年審判などの手続きに関する支援が中心になります。
 実際の支援においては、これからどのような手続きがいつ始まっていくのか、被害者や遺族は何ができるのかなどの説明や、警察や検察官への意見・要望の伝達、示談交渉への対応、検察審査会への申立てなどを行います。
 たとえば、加害者側の弁護士が示談の申し入れをしてきている場合に、支援弁護士が、適切な示談内容などをアドバイスするだけでなく、被害者の方に代わって交渉を行うことも、この支援制度によって可能になります。

 被害が重く、被害者やご遺族が手続きを進めていくことが精神的に厳しい場合は、犯罪被害者支援センターなどの支援員、精神保健福祉士などの専門家と連携して支援をする場合もあります。
 支援に必要な様々な資源を有効に活用できるように、アドバイスをすることもこの支援制度の利用によって可能になります。
 支援制度が多数あるため、非常に複雑なのですが、この制度とは別に、刑事裁判に被害者が参加する際に弁護士を付ける制度、損害賠償請求や民事裁判について支援する制度などがあります。
 それらの複数の制度について、適切なアドバイスを受けることも、この無料の支援制度を利用することで可能になります。

この制度を利用できる「遺族」の範囲は?

 死亡した被害者の配偶者、子ども、父母、孫、祖父母及び兄弟姉妹です。
 事実婚関係(内縁関係)や親子関係と同様の関係にあった者(育ての親など)も含みます

この制度を利用するためにどうすればよいですか?

 弁護士への依頼が前提になりますので、まずは弁護士にご相談下さい。






Q 交通事故と刑事裁判

交通事故で子どもが死亡しました。刑事裁判に参加できると聞きましたが、どのようなことができるのでしょうか?

 刑事裁判に参加することで、被害者遺族は、検察官側の席に座り、被告人や証人に質問をすることや、意見を述べることができます。


加害者が嘘をついています。刑事裁判でその嘘をあばくことはできますか?

 刑事裁判は残念ながら被害者のための裁判ではありません。加害者を守るためのに刑事裁判があるのではないかと感じる場面も珍しくありません。また、刑事裁判では、聞きたいとことや言いたいことを自由に言えるわけではありません。
 嘘を暴くことは、本来は、警察官や検察官が行うべきことであり、被害者にその権利は与えれていません。
 また、加害者を嘘をついても、それが、刑事裁判にとって重要ではない場合、全く追及されない場合もあります。
 刑事事件では、被告人には黙秘権が保障されており、何も言わずに黙っていることも可能です。被告人が事実とは異なることや言いたいことだけを言って黙っていても、そのこと自体を処罰することはできません。
 捜査機関にとって、重要なことは、被告人の供述に左右されない証拠を集めて、犯罪が行われたことなどを証明することです。
 刑事裁判の仕組みをある程度理解して、できることとできないことの区別がつかなければ、検察官がやろうとしないだけなのか、そもそもできないことなのかが分からず、不信感がつのり、信頼関係も崩れていってしまいます。
 支援弁護士と十分に打ち合わせを行い、どのようなことがしたいのか、それは刑事裁判で実現できることなのかを理解し、裁判所や検察官に意見や要望を適切に伝えること重要です。
 たとえば、加害者が、事故直後、被害者を助けようとしたが、被害車両の損傷が激しくドアが開かなったか、あるいは気が動転していて開けることができなかったと供述しているが、車両のドアは、簡単に開く状態だった可能性がある場合に、刑事裁判でその点が問題になっていないにも関わらず、裁判中に、加害者が本当のことを言うまで追求し続けることはできません。
 事件に関係することではあるので、いくつかの質問はできるかもしれませんが、被告人が何らかの回答をすれば、それが被害者遺族が考える回答(本当は被害者を助けようとは思っておらず、ドアを開けようとしなったという回答)とは違っていても、それ以上に追及することは、ほとんどの場合、裁判官に止められてしまいます。
 このような場合、諦めるのではなく、なぜその点が知りたいのか、それが異なることで、被害者遺族にとって何が変わってくるのかを検察官や裁判官が理解できるように、意見として述べることができます。
 不十分な制度の中でも、出来る限りのことをしていくためには、支援弁護士や検察官との相互の信頼関係がとても重要です。そして、信頼関係を築くためには、裁判制度に関するある程度の理解が必要になってきます。


交通事故の際のドライブレコーダーの映像を確認することはできますか?

 警察が証拠として押収したドライブレコーダーの映像を捜査が終了する前に見せてもらう権利はありません。
 これは警察が押収した証拠全般にいえることでもあります。
 しかし、捜査に支障がない場合は、確認できることもあります。まずは、なぜ確認したいのかを伝えることが重要です。
 捜査終了後、ドライブレコーダーは持ち主に返還されることもありますが、裁判が終了するまで返還されない場合もあります。
 刑事裁判では、ドライブレコーダーの映像が写真として提出されることもあり、映像そのものを確認できない場合もあります。
 その持ち主が目撃者などの第三者の場合は、任意の協力が得られれば、その映像を確認できる場合もあります。

交通事故の加害者が不起訴になりました。警察が調べた事故時の状況などは確認することができますか?

 不起訴になってしまった場合でも、警察が作成した実況見分調書など一部の資料は閲覧することができます。 


Q 支援の対象について

どのような事件の被害でも支援してもらえますか?

 残念ながら以下のような事件は、支援ができない場合があります。
・加害者が誰か分からない事件
・加害行為について証拠がない事件
・損害が生じたことが証明困難な事件
・時効期間が完全に経過してしまっている事件

 また受任できる件数には限度があり、ご相談時の状況により受任ができない場合も御座いますので、ご了承下さい。


 
Q その他の質問

現在依頼している弁護士の活動に疑問があります。アドバイスをもらえますか?

 非常に残念なことに、犯罪被害者支援に精通している弁護士として紹介を受けた弁護士に事件を依頼したが、十分な活動をしてくれていないと感じて、相談に訪れる方もおります。
 このような場合、基本的に、現在の弁護士と良好な関係を築き、適切な支援が受けられるようアドバイスしております。
 また、人と人との相性は、弁護士と依頼者の方の間にも当然に存在し、どうしても「あわない」と感じてしまう場合もあります。
 犯罪や事故の被害者について裁判を行う場合、長期間にわたって弁護士との関係が続くことがありますので、事件終了まで続く信頼関係を築けるかどうかが重要になります。

 相性以外にも、事件の進め方や説明の仕方などは、それぞれの弁護士によって異なりますので、まずは疑問に感じていることを率直にその弁護士にぶつけてみるのが良いと思います。
 

被害者支援・法律相談

弁護士馬場伸城
弁護士 馬場伸城
第一東京弁護士会所属
犯罪被害者委員会委員

日本障害法学会正会員
日本建築学会正会員

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東京都中央区日本橋
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久米法律事務所

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